本気のパイライト


「ふふっ」


収まることを知らない顔のニヤつきに手を当てていれば、先輩が思い出したように口を開いた。


「そういえば、さっき言ってたの、誰だったんだ?」


「え?」


「喜んでくれるかな、って言ってただろ。
誰かにプレゼント?友達?」


「あ……」


私の手に持っていたキーホルダーを指して言った先輩に、私は弟のことを思い出して一気に顔を紅潮させる。


「…っ、!」


「え……」

< 88 / 162 >

この作品をシェア

pagetop