本気のパイライト


私の赤くなっていく顔を見て目を見開く先輩。


は、恥ずかしい……。
受験生の弟に買おうとしてた、なんて先輩に
知られたら、ブラコンだと思われちゃう…!
ど、どうしよう…、なんて答えればいいの…?


「………」


顔に手を当てたまま戸惑っている私を見ると、先輩は静かに言った。


「…もしかして、夏祭りの日に言ってた、大切な人?」


「え……」


その言葉に、私は夏祭りの日の自分を思い出す。

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