本気のパイライト


『……大切な人に食べてもらうので、大丈夫ですよ』


「あ……、あれは…!」


岩崎先輩への対抗心で言ったことで…!
でも、大切な人が弟だったなんて知られたら、やっぱりブラコンだと思われる!


ここは知られないように繋ぐしかない…!


「そ、そうですよ!大切な人に贈るんです!」


「……そっか」


「はい。あっ、愛生のところに行くので、失礼します…!」


私は浮かない顔をした先輩を置いて、急いでその場を後にした────。

< 90 / 162 >

この作品をシェア

pagetop