本気のパイライト


「もしもし……」


『あ、お兄ちゃん?私だけど』


「分かってるよ…」


電話の向こう側から聞こえてきたのは、俺の妹の声。


今年受験生の妹は、最近何かある度に、俺に頼み事をしてくるようになっていた。


『今日出かけるって言ってたけど、まだ外にいる?』


「いるけど…」


『ならちょうどよかった!私、今駅にいるんだけど、コンビニでアイス買おうと思ったら財布を忘れちゃったみたいで買えないの。
だから今すぐこっちに来てお金払って!』


やっぱり、こーゆー展開か……。

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