ねこ吉じいさんの宝物
じいと出会ってから毎日、私たちはじいについていろんなものを見て回った。

私たちがお腹が空けば、じいが行きつけの魚屋に連れていってくれた。

三匹そろってひょこっと顔を出すと、魚屋のおじさんがにこにこ笑って魚をくれる。


私たちがママに叱られてしょんぼりしているときは、じいと一緒に雲を眺めた。

雲には色々な形があるって知った。

プカプカ浮かぶ雲を見てると何だか悲しかったことが小さく思えて、いつの間にか雲を追うのに夢中になっていた。


じいと一緒に島の子供たちのかくれんぼに混じったことも、じいの持ってた磁石で砂鉄を集めたこともあるんだ。


じいと過ごす日々はあっという間に過ぎて、私とララは初めての冬を迎えようとしていた。

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