ねこ吉じいさんの宝物

家までの帰り道。

私たちはおじさんを真ん中に挟んで、並んで歩いていた。

「私は……」

ぼそりと話始めたおじさんに耳をたてて聞く。

「ある猫を探しているんだ」

「ある猫……?」

「ああ、大変お世話になった方…私を救ってくれた……」

おじさんの表情が悲しげで、すこし辛そうで、私まで苦しくなってしまう。

「ずっと、探し続けている。三年間ずっと」

「どうして?」

「伝えなきゃいけないことがあるんだ」

そう言ったおじさんは泣き出しそうな目をした。

じい……じいと関係があるのかな。

「噂を聞いてね」

「噂ですか?」

「そう。ある島の丘のてっぺんにガラクタ集めをしている妙な年寄り猫がいる、と」


それって、やっぱり……!

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