ねこ吉じいさんの宝物
石段にくたっと寝そべる私たちに声をかけてきたのは、この近所にすむミツおばさんだった。

いつも私たちに鰹節をくれるから、ララは「かつおぶしのおばちゃん」って呼んでる。

さっそくにゃあと一声鳴いて、ララはおばさんの足にじゃれついた。

ララ、おなかすいてるから甘えてる……

私はあきれて見ていたけど、おばさんはすぐに「待っててね」と言って縁側から家に入って鰹節を持ってきてくれた。

「やったぁ」

ララは嬉しそうにおばさんの手の上の鰹節を食べている。

「おいしいなあ」

「まったく、ララはすぐに甘えるんだから」

「お姉ちゃんは食べないのー?」

「う……」

「おいしいのに」

「食べるもん!」

やっぱり私も、ミツおばさんのかつおぶし攻撃には負けちゃうんだ。
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