ねこ吉じいさんの宝物
捕りたての魚はプリプリとしていてとっても美味しかった。


「おいしいね!ララ」

「うん!あれ?でも何か忘れてるような……」


「あ!!」

夢中になりすぎて忘れてた!

「ねこ吉じいは?!」

いつの間にかじいはいなくなっている。

「じいーどこにいるのー?」

「じぃーいー」

私たちは大きな声で眩しい昼間の町に向かってじいを呼んだ。


「なんじゃい?呼んだかい」

急に後ろからしわがれた声が聞こえて振り返ると、じいがテトラポットの隙間から出てきた。


「そんなところにいたの?あ、それ……」

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