ねこ吉じいさんの宝物
じいの噂
「またあのじいさん、ゴミを拾って歩いてたよ」
「噂によると、人間の家に忍び込んでゴミを漁ってるらしいわ」
じいと別れて家に帰る途中、ぼそぼそとそんな話が聞こえた。
「そんなことしないもん……」
丘を見て嫌そうな顔をして話す猫たちを見てララはポツリと言った。
「あら、ララちゃん。テトちゃんも、どうしたの?」
噂話をしていた猫たちの内の一匹が私たちに気付いたようだ。
「じいを悪く言っちゃ……」
「何でもないです!ララ、帰ろう」
怒ったララの言葉を遮って、家路を急ぐ。
枯れた彼岸花の列に沿って、早足で歩いた。
じいと出会った頃は真っ赤で艶々していたのに、今ではもう茶色くなってしまった花弁。
じいの毛の色と似ていた。
「噂によると、人間の家に忍び込んでゴミを漁ってるらしいわ」
じいと別れて家に帰る途中、ぼそぼそとそんな話が聞こえた。
「そんなことしないもん……」
丘を見て嫌そうな顔をして話す猫たちを見てララはポツリと言った。
「あら、ララちゃん。テトちゃんも、どうしたの?」
噂話をしていた猫たちの内の一匹が私たちに気付いたようだ。
「じいを悪く言っちゃ……」
「何でもないです!ララ、帰ろう」
怒ったララの言葉を遮って、家路を急ぐ。
枯れた彼岸花の列に沿って、早足で歩いた。
じいと出会った頃は真っ赤で艶々していたのに、今ではもう茶色くなってしまった花弁。
じいの毛の色と似ていた。