いつの日かきっと・・・

希望?

希望...希望って何なのだろう?
少なくとも私には、今のところないものなのだろう。

もしかしたらあるのかも・・・なんていう甘い期待を持っちゃダメだ。





家に帰っても私の気分は晴れずにいた。
「杏梨、帰ってきたのぉ~?お母さん今からシンガポールに行かなきゃなのよ...。
すまないのだけれど、弟たちの世話頼めないかしら?受験生で大変なのは十分承知よ。だけど、今回の仕事だけは、断わるわけにはいかないのよ...。無理だったらベビーシッターでも何でも頼んでいいから。お願いできないかしら?」
「そっか...。また急に決まったのね 。いいよ。私が世話しとくわ。」
「ごめんなさいね...。あっ、もうこんな時間。じゃあ、行ってくるわね~」
「はーい」


私の母は忙しい。花菱会社の会長&社長という地位についている母に、これ以上の負担はかけられない。父が死んでしまってからは、母の忙しさには、磨きがかかっている。
私のことは何も心配しなくていいようにしっかりしなくては。
...頑張ろう。きっと大丈夫。いつかは、報われるのだから...。

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