またあう日まで
第一章 非現実的な空気と
転入生
東京から電車で2時間半。
そこからバスで1時間。
さらに徒歩で30分。
…やっと……
「やっと着いたぁーーーーーーっ!!!!」
合計4時間という長い時間をかけて、やっとこさゴール。
足がちぎれそう……プルプルしてる。
幸い天気はどんよりとしていて、体感温度はそこまで高くない。
「もー…ほんと、なんで車無いの隆兄…」
「し、仕方ねぇだろ……まだ仮免なんだから。」
そう言って隆兄は鞄をあさる。
目の前にあるのは、今日から住む私達2人の家だ。
______私、綺島沙華(サヤカ)と兄の隆宏(タカヒロ)は、
今日、この"ことり町"に引っ越してきました。
…まぁ、その時間のかかりようからも分かる通り…
………ものすごく、ド田舎。
まわり緑しかないんですけど…
「荷物置いたら片付けすっから、それまでちょっと休憩するか。」
ほーい、と返事をして、疲れきった重い足を持ち上げる。
引っ越し屋の人がほとんど持ってきてくれるから楽っちゃ楽だけど。
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