またあう日まで


「………東京から、ことり町に引っ越してきました……綺島…沙華……です…」


いろんな意味で緊張している私は、とりあえず自己紹介をした。
チラッと見渡して見ると、色んな人からの視線がつきささる。

「えーーっと、綺島。お兄さんから聞いてるとは思うが、この学校のことはある程度分かってるよな?」

…何も聞いてません。
なんて、言えるはずもなく。

「ここにいる人たちは皆、月(ルナ)といる能力を持った人ばかりだ。日本の端から端まで、色々な地域の人がいる。まあ分からないことがあったらクラスメイトに聞けばいいさ。」

「……はい…」

案内された席に移動する。
その間拍手が鳴り止まない。

こういうの慣れてないから、嬉しいような恥ずかしいような……
それよりも、現実味がなさすぎて意識ぶっ飛びそうだけど。

「じゃあ1時間目は自習でいいなー?」

「いいよいいよー!」

「んじゃ任せたぞ~。」

えええ、先生そんな適当でいいの!?

って思ったけど、先生が教室を出ていった瞬間

「綺島さん!!可愛いねぇ!」
「ねーねー、東京ってどんなとこ!?カフェある!!?」

「か、カフェ……あるよ!」

「お前どんな月持ってんのー??」
「身体的?精神的?」

「しんた………せいしん……?」

一気に寄せられる質問の嵐…
……どうしよう、うまく話せない。




………………というか…………


< 5 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop