ひとりぼっちのマル
雨の中で
僕は犬。
名前はマル。
小さい頃はママと一緒に
人間と暮らしていた。
でも、僕が少し大きくなったころ
「段ボール」という箱に入れられて
ママから引き離された。
薄暗くなってきた公園の
ベンチの脇に僕は箱に入ったまま
置かれたんだ。
僕の頭をなでながら
飼い主だった人間は
「良い人に拾ってもらうのよ」
そう言った。
僕に背を向けて遠ざかっていく人間に
僕は力の限り叫んだんだ。
「置いていかないで!僕、良い子になるから・・・」
でも振り向いてはくれなかった。
雨が降り始めても、僕は段ボールから
出ることもできず、雨を避けることも
できず、濡れて重くなっていく自分の
体を必死に丸まって暖めた。
「ママ、会いたいよ」
名前はマル。
小さい頃はママと一緒に
人間と暮らしていた。
でも、僕が少し大きくなったころ
「段ボール」という箱に入れられて
ママから引き離された。
薄暗くなってきた公園の
ベンチの脇に僕は箱に入ったまま
置かれたんだ。
僕の頭をなでながら
飼い主だった人間は
「良い人に拾ってもらうのよ」
そう言った。
僕に背を向けて遠ざかっていく人間に
僕は力の限り叫んだんだ。
「置いていかないで!僕、良い子になるから・・・」
でも振り向いてはくれなかった。
雨が降り始めても、僕は段ボールから
出ることもできず、雨を避けることも
できず、濡れて重くなっていく自分の
体を必死に丸まって暖めた。
「ママ、会いたいよ」