麗しき日々
 「あの時のお礼をちゃんと言わせて下さい。本当にありがとうございました」

 私は深々と頭をさげた。


「お、おい。やめてくれよ」

 副社長は、慌てて壁から体を離した。


「お礼を言って欲しい訳じゃなかったんだけど…… まあ…… 取りあえず食うか?」

 副社長は座り込んで、白い袋を広げた。

 袋の中を見た副社長の顔が一瞬険しくなったのは、気のせいだろうか? 


 中から、美味しそうなサンドイッチが出てきた。コンビ二の物では無い事が分かる。


 思わず、お腹がぐるぅ―っと鳴ってしまい、顔が赤くなった。


「さあ、座れよ……」


 副社長の言葉に、私は少し離れて座った。


 すると、副社長がグーッと近づいて来て、私にサンドイッチを差し出した。



「い、いただきます」



 私は、野菜たっぷりのサンドイッチを口に入れると、あまりの美味しさに笑みが漏れてしまった。
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