麗しき日々
 あれから、気分はあまり良くならないが、会社へは行っていた。

 香に言われた事は良く分かっている。

 でも、副社長には河合さんの事は誤解されたままの方がよい気がする……



 その証拠に、しばらくすると副社長の婚約パーティーの日にちが決まった。


 これで良かったんだと、自分に言い聞かせるしかない。





 婚約パーティの前日の準備に、総務も追われていた。

 しかし、相変わらず気分がすぐれないまま、やっとの思いで準備に取り掛かっていると。


「あんまり無理しない方がいいんじゃない?」

 河合さんの声に振り向く。


「ああ、この間はお世話になりました」


「いや、そんな事はいいから少し休んでおいでよ。これは、僕がやっておくから……」


 河合さんは、無理矢理私の手から、招待客のリストを奪った。



「すみません……」




 私が、会場を出てようと扉に向かうと、慌てて入って来た人影と重なった……


 慌てて避けようよしたが、扉から入って来た副社長とぶつかってしまった。
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