麗しき日々
「っ……」

 今、副社長は何て言ったのだろう?


「早く、ドレスの試着しないと…… 急いでくれよ」



「な、何言ってるんですか? 私は何も聞いてないです」


 思考が止まってしまい、上手く言葉が出ない。


「だって、湖波が無視するから勝手にドレスも決めたからな!」


「そうじゃなくて!」


「何か問題あるのか?」

 副社長は、あっけらかんとして言った。


「あるわよ! だ、だって、私は河合さんと……」

 しどろもどろになりながら、必至で口にした。



「俺が何も知らないと思うのか? 河合と湖波の後付けたけど、それっきりじゃないか。あの後、二人でなんて合ってないだろ? 栗林からもそう報告受けてる」


「はあ…… 後付けてって…… ストーカー!」


「何とでも言え!」


 副社長は口を尖らせて言った。



「そ、それに、秋吉グループは?」


 私は、恐る恐る聞いた。

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