羽化

かくして、同期ふたりに、先輩だが同い年の貴司もいっしょに行くことになり、さらにおまけに、いつのまにやら吉田も参加していたのだった。

こっちは定元君が誘っていたのだ。

抜け目ないというか、めざとい男である。


普段、不満はあれだけよく言うくせに、実際に貴司と話すのは初めての吉田。

はじめ緊張しまくり。

「い、石野さんには、本当よくお世話されてます後輩で吉田佳子です。どうぞお見知りおきねがいます!」

それでも元気に、から回ったものだった。

しかして始まった、馴染みとはいえないメンバーでの飲み会。

どうなるもんかと思ったけれど……。

こうして、思いのほか盛り上がったというわけである。

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