【完】V.I.P〜今宵、貴方だけの私になる〜
「もう待たない…待てない…離さない…忍…」
子供が愛を欲しがるより貪欲に、この胸に素早く奪ってから、俺はうわ言のようにそう言葉を紡いで、彼女の服を一枚一枚剥いでゆく。
「待って…かなめさ…ん…っ」
「だから、待てないと言ってるだろう?もう一秒だって待ってやれない。そんな余裕なんてない…っ」
「んぅ…っ」
噛み付くようなキスを首筋に、浮き出た鎖骨に、二の腕にと俺の印として刻み込んで、混ざり合うようにして抱き合う。
我侭をいう、そんな繋がり合いを彼女に求め、初めは戸惑っていた彼女も、最後は両手を広げて俺を迎えてくれた。
甘い甘い睦言の一つも囁やけない、衝動を伴って浮かんでは消える、二人以外では染められない不可能な色で、時間を埋めて。
彼女が他の誰かのものになるだなんて、そんなことは許さない。
もしも、神が目の前にいると言うならば。
全力で俺は許しを乞うだろう。
彼女のことを壊れるまで愛させて欲しい、と…。
だから…どうか。
どうか、この手をとってくれ。