【完】V.I.P〜今宵、貴方だけの私になる〜
喉がカラカラになって、声も出せないくらい抱き尽くされた後、ベッドの上で未だ横になっている私を、ベッドサイドに静かに座って優しく見つめてくる彼。
言葉は其処に一つもいらなかった。
溢れる想いは、既に彼の中。
きっと叶わないと決め付けていたあの日は、胸が軋んで痛みばかりを感じていたけれど…。
今はこうして、穏やかな時間が流れてる。
しっかりと施錠された私の全ては、甘い果実よりも熟れて赤くなり、彼への想いにだけ反応する。
はらはらと散るように、貴方の元でほころび死に絶える。
私は決意した。
この先何が起ころうとも、彼の傍から離れることは二度としない。
そう、何がおきても……。
悪い女だと、たとえ誰かに呼ばれても。
私は私なりの方法で、彼を愛し彼を信じると誓う。
ねぇ…これが、私の答え…です。