【完】V.I.P〜今宵、貴方だけの私になる〜
第五章『甘く溺れるように…』
最初で最後の我侭 side:要人
この恋はもう、誰にも消し止められない
もう、何処にも引き返せない。
何時でも、何よりも早く。
貴女に触れたい…。
貴女が、知りたい。
貴女と感じたい。
…燎原の火……。
この胸に付いた炎は、この身を焼き消し灰になり、そのままさらさらと風になびいて行くまで…。
きっと貴女ごと燃え上がり続けるだろう。
貴女以外、何もいらない。
貴女が欲してくれない自分になんか価値はない。
こんなに酷く甘く、激しい想いが…俺の人生に待っていただなんて…。
今までの時間を全て悔いてしまうくらい、俺の中の凍った部分が蕩けて行くんだ。
「忍…。今度は俺の部屋に来い…いや。来て欲しい…」
「要人さん…」
「公私混同はしないつもりだが、お前とは片時も離れたくないんだ…」
「…私なんかで、いいんですか…?」
「なんか、なんて言うな。俺が惚れた女なんだ。それがたとえお前自身だとしても、傷付けるのは許さない」
ちゅ
下着を付けただけの、無防備な肩にキスを落として、そう言うと、くすくすと笑われた。