【完】V.I.P〜今宵、貴方だけの私になる〜
何かがつかえている。
もう、ずっと。
私の心は、あの日の雨から晴れることはない。
晴れるどころか、どんどん内へと狭まるばかり。
落ちていく雫は悲しみという石を打ち続け、まるで一つ一つ私の心の底に溜まっていくようだった。
どろり、何かが溢れていく。
いい加減、忘れても良い頃なのに。
どうして?
こんなにも自分が未練がましいだなんて思いもしなかった。
だから…。
こんな自分の中で、今はこの想いをはっきりとした形にするべきじゃない。
私の中でこの感情は、膨らませはならない。
そう、キツく律するんだ。