【完】V.I.P〜今宵、貴方だけの私になる〜
「なぁ…忍?」

「やめてくださいよ〜。名前呼ばれるの嫌〜」


酔っている彼女は、ケラケラと笑ってそう拒絶してくる。

それが、とても気に食わない。
だからわざと甘えた声を出す。


「良いだろう?」

「駄目に決まって……ん……」

「甘いな、お前は」


にんまりと微笑むと、ハッと我に返ったのか、キッと睨まれた。


「ほんっとに、信じられない…」


ムッとして、口唇を尖らせている彼女にもう一度キスを落として、俺は溜息混じりに呟いた。


「いつになったら、俺の本気を受け入れるんだ…お前は」

「え……?」

「いや…なんでもない」

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