たとえ届かなくても君を思うほどに切なくて。
「クラス、一緒がいいね」

そう、風月に言うと、そうだなと返してくれた。
きっと、同じクラスなんだろうなと、私は思った。
だって、今までの学校生活は、いつも同じクラスだったから。

「凛、同じクラスだぞ!」

案の定、私の考えは当たった。
この学校は、3年間クラス替えがないから、クラスは重要だ。

「そっか、やったね」

そう言って、笑って見せた。
風月もまた、笑い返してくれた。

靴を脱いで、上履きに履き替える。

私たちは一度も足を止めずに、教室にたどり着いた。

教室に入って私たちは席を探す。
えっと、どこだろう…

「ここだよ、凛。おはよう!」
「あ、おはよう、彩夏」

席を教えてくれたのは、小学校からの親友の、関 彩夏(せき あやか)。

彼女は、いつもハイテンションで、たまについていけない時があるほどだ。

「ねえ、凛。イケメンな人いた?」

私は、カバンの中身を整理していると、彩夏がそう言って来た。
唐突に聞かれても…
私はイケメンとかいうのはあまりわからない。だから、聞かれても困ってしまう。

「うーん…どうだろう。」
「そうだよね。あ、風月ーなんかイケメンな人いた?」

そこへちょうどやって来た風月に彩夏が話を振った。
私は、何故このタイミングでやって来たんだろうと思った。

「うーん…どうだろう」

風月は私と同じように答えた。

やっぱりわかんないよね。
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