たとえ、涙が頬を濡らしても。



なんで、冬汰はダメなの?


好きになったんだから仕方ないじゃん!

好きで好きで好きで、もうどうしようもないの。


冬汰のこと、ほんとはもっと知りたいよ?

でも…出来ない。


もしあたしが一歩、冬汰の胸の内側へ足を踏み入れて、今の関係が壊れるぐらいなら…あたしは今のままでいる。


それは冬汰から逃げているのかもしれない。


あたしの一方通行の想いなんだ。


だから…

“好き”を口にすることができなくて…


コンテスト用の絵に、あたしが冬汰のことが“好き”という想いを閉じ込めるの!


臆病で絵でしか自分の気持ちを表現できなくて…


でも、好きを表す方法なんてどんな形でもいいでしょ?




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