たとえ、涙が頬を濡らしても。
空の…上?
「普通に雲…ってか青空?
そう、青空でしょ?
よくテレビの飛行機の映像で見るじゃん!」
『ぷっ…ははっ!』
「え?何よ?あたし変な事言った?」
急に、声を出して笑い出した彼。
どこに笑う要素があるのよ…!
質問してきたくせに!
『ははっ、わり…
だってお前の答え真面目過ぎて、夢ねーんだもん…ははっ』
この人、意外と笑いのツボが浅いのかもしれない…
いい人…なのかな?
「真面目過ぎてって…」
『久しぶりに笑った』
「え…」
ギターをケースに入れて閉め、私を真っ直ぐみつめる瞳…
綺麗な目…
見とれるほどの瞳と顔立ちで、お昼休みに依知花が見せた表情を思い出した。
好きな人を思う時の…表情
目の前の彼は、好きな人って訳では無いけど、たぶん今のあたしの表情は依知花がした表情に似てる…
『澪春はさ、生きてて楽しいの?』