たとえ、涙が頬を濡らしても。
冬汰は将来の夢とかあるのかな。
何かやりたいこととか。
『澪春は美術の先生になれよ?』
「えー、じゃぁ、冬汰は数学の先生目指してよ」
『それは無理な話だな』
「ムッ。」
『ほら、最終ページやるぞ』
無理って…目指してみなきゃわかんないじゃん。
高校中退だって、高卒認定試験って言うのあるのにさー。
教え方上手なのにもったいないなー。
今まで通り、まず先に冬汰が例文を解いて理解した後に、例文の説明と解き方を教えてもらう。
そして、1人で解いて冬汰に答えと合っているかを言ってもらい、間違えているともう一度解き方を教えてもらう。
そしてついに最終問題を解き終わってしまった…
『はい、数学のワーク終了。
お疲れさま』
「ありがとー…!!
1人じゃ終わんなかったよ…
冬汰もごめんね?お疲れさま」
『いいよ。このぐらい。
てか、久しぶりに勉強した』
冬汰は懐かしそうに数学のワークをパラパラ捲っている。
本当に数学が得意なんだねー。
あたしは理解に苦しむけどね…