たとえ、涙が頬を濡らしても。





ねぇ…どうして黙るの?


どうして、悲しそうな目をするの?


ねぇ…答えてよ。




『…行けねぇよ。』


「…?」


『逝きたくねぇよ…』


「冬汰…?」



ねぇ、どうして震えるの?


冬汰の隣に座って、手を握る…



『…はぁ…はぁ…っ…はぁ…』


「冬汰!?」



震えだした途端、呼吸が荒くなって…


頭が真っ白になる


え?


あたし…どうしたら?




「冬汰!?ねぇ…」



名前を呼ぶことしかできなくて…



『大…丈夫…だから…っはぁ…』


「えっと…えっと、飲み物!」



テーブルに置いてあるグラスを冬汰に渡すと、一気にそれを口にして大きく深呼吸する冬汰…


額の汗が止まらなくて…



『悪い…ちょっと朝吐き気とかあってさ』


「うぅん…ベッドに横になる?」


『あぁ』



この前も確か体調がって…


どこか…悪いの?





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