たとえ、涙が頬を濡らしても。



…─────


っよし!



「これがベゴニアっていうお花だよ」


『花って茎が長いイメージがあるけど、これは花壇に植えるタイプの花か』


「うん!ベゴニア可愛いでしょ?」


『うん…小さい花びらで…なんだろう、すっげぇ…見てみたい』


「ははっ、普通にお花屋さんにあるんじゃないかな!」


『また今度、寄ってみようかな』


「あたしもよくお花の絵、描くから花屋さん好き」


『…なぁ、サイン描いてよ』


「な、サイン!?なんで!?」


『いいじゃん』


「普通に名前書くだけでいいなら…」



有名人でもないのに、なんであたしなんかのサインが欲しいんだろ?


画用紙の端に、ササッと自分の名前を書いた。


そして、ベゴニアを書いた画用紙を切り取って冬汰に渡す。



『ありがと。大事にする。』


「…なっ/////////」



恥ずかしい…って。






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