たとえ、涙が頬を濡らしても。






一瞬、質問の意味が分からなかった。



「楽しいよ!?
毎日、明日は何しようかな〜って考えたり…」



あ…


この目だ…


何故か彼はまた悲しそうな目を一瞬見せた。



「えっと…君は?」


『冬汰でいいよ。
俺は…死ぬまでの暇つぶし…』


「へ?」


『いや、人生長いからその暇つぶし…
じゃ、そろそろ帰るわ。』


「もう?
えっと、また明日ね!」



ギターケースを持って、何も言わずに立ち去っていく冬汰の姿をみつめる。


どうして、咄嗟にも「また明日」と言ったのだろうか。


明日…会えるのかな?


冬汰…


どうして君は、そんな悲しそうで寂しそうなの?





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