たとえ、涙が頬を濡らしても。
あれから少しだけ他愛のない会話をしてから、いつも通り冬汰に「また明日ね!」と言って分かれた。
帰り道、明日も会える!そう思っただけで嬉しくて嬉しくて…
『澪春!!』
「しゅん…き」
家の前で俊稀は待っていたのか、立ち上がって走ってきた。
『ごめん…ほんとに悪かった…俺…』
「ははっ、もういいよ?」
『でも…』
「俊稀、いっぱい反省したんでしょ?
あたしこそ、この前はごめん。」
『澪春…』
ただ、早く俊稀と仲直りがしたい。
そして冬汰と俊稀と3人でどこか遊びに行ってみたい。
これはあたしのワガママなんだけど…
もちろん、キスはびっくりしたけど。
そんなことでずっと仲直り出来ないのは嫌だ。
「それに俊稀の似顔絵、完成したんだ」
カバンからスケッチブックを取り出して、俊稀の似顔絵をちぎって渡した。