たとえ、涙が頬を濡らしても。



裏面…?


すぐに絵を取り出して裏面をめくった。


そこには


“愛してる”


とだけ書かれていた…

冬汰の愛の告白…



「冬汰…」



冬汰…




『きっと、兄貴は病気のことも、好きって気持ちも、もし言ったら澪春さんから笑顔が消えるって思ったから、言えなかったんだろうな』


「…」


『現に、楓の笑顔を奪ってしまったって自分を責めてたんだと思う』


「…楓さんって?」


『幼馴染み。
楓はずっと兄貴が好きだったよ。
最後まで…兄貴の傍で手を握ってた』



…。


その瞬間、言葉が出なかった。





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