たとえ、涙が頬を濡らしても。



『…ば、バカ。あたりまえだろ?
ったく、好きが高まるって。』


「そんな大げさな…」


『言っとくけど、俺の気持ちは想像以上にでっけぇからな!覚悟しとけよ!』



目をごしごし擦って、白い歯を見せて笑う俊稀。



「…ありがと」



そんなことハッキリ言わないでよ…


ずっと遠回しに好きって言ってきたクセに。


あたしが気付いてないなんて思ってるんでしょうけど!



『もう日も暮れたし、帰るか!』


「うん」


マットから立ち上がって、あたしの手を引く俊稀。


その明るく眩しい、太陽みたいな笑顔


ずっと、そのままで居てよ?


もう、誰も居なくならないで…






< 164 / 241 >

この作品をシェア

pagetop