たとえ、涙が頬を濡らしても。
ここ最近、夏翔は茶髪だった髪を黒に戻して、ピアスを付けるのをやめた…
理由は『真っ当に生きていくためだ』って。
夏翔らしい理由で笑った。
『兄貴も安心しただろーな』
「ははっ、出さなかったら化けて出てきそうだね」
『ふっ、そうかもな』
二人して空に向かって笑った。
ねぇ、冬汰…───
冬汰がいた頃に比べて、随分日が暮れるのが早くなったよ?
夏翔の黒髪、意外と似合ってるよ!
ちゃんと学校に毎日来てるし、よく放課後に会ったりするよ。
…堤防もたまに行ってるよ。
二人で見てた景色とは、またちょっと変わって冬に近づいてきたよ?
いつも空を見ては語りかける。
この日課が好き。