たとえ、涙が頬を濡らしても。
そこには冬汰のLINEが表示されていて…
【澪春が立ち止まったら、助けてやってくれ。
澪春が笑えるように、支えてやってくれ。
あいつを好きな気持ちは死んでも変わらない。
けど、澪春を好きなお前になら託せる。
だから…頼んだ。】
と、冬汰から最後のLINEの文章があった。
【あたりめーだろ!
お前の代わりに、澪春を幸せにするから。
振り向いてくれるかわかんねーけど…
…澪春と出会ってくれてありがとな】
そう俊稀がLINEを返したメッセージに既読が付いて、やり取りが終了していた。
「…ひくっ」
『あいつ、澪春のこと好きすぎんだよ…』
そう笑った俊稀…
「ずるい…なんで俊稀がLINE持ってるのよ!
しかも、既に仲良くなってたなんて」
あたしが二人をくっ付けたかったのに…
仲直りさせたかったのに…
喧嘩 してなかったじゃん…
ったく。
あたしに隠し事多すぎるよ…。
『ははっ、あいつ澪春には秘密って聞かなくてよ』
「…もう!」
『怒るならあいつに怒れよなー』
冬汰のバカ!
隠しすぎだって!!
「冬汰ぁぁぁー…」
『ははっ、あいつに頼まれたから、澪春は誰にも渡さねーから覚悟しとけよ!』
「…うぅぅぅ」
冬汰に出会えて…
冬汰の生きる理由になれて…
あたしは幸せだよ。
本当に…ありがとう。
ゆっくり、休んでね…
そう大粒の涙を流しながら空に告げた。