たとえ、涙が頬を濡らしても。



俊稀は高校2.3年の時に、棒高跳びでインターハイで好成績を上げ大学からスカウトが来た。


もちろん、大学でも棒高跳びを続けていて高校の頃と比べれば体格が見違えるほど変化した。


あんなに華奢だったのに、肩幅も大きくなって、筋肉も人並みに付いて…


そりゃ、他の選手と比べれば体格は小さい方だけど、あたしからすれば大きい。



「俊稀、大きくなったね」


『そりゃ、まぁ…棒高跳びやってるし?
でも、お前を守る為にももっと大きくなる』


「ははっ、横にはならないでよ?」


『ちょっ、それはねーって!』



二人して笑いあった後、俊稀に名前を呼ばれて振り返る…


すると、俊稀の唇があたしの唇を奪った…

あの夏祭りの日に、強引にキスされて怒った日が遠い昔のようにも感じる。

だけど、今は違う…


俊稀のキスを受け入れて、あたしからもキスをする…





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