たとえ、涙が頬を濡らしても。
あの時、
「来年、絶対に誘うから!」って言った。
でも次の年には当然、冬汰は居なくて…
あの日以来、お祭りには行けなくて…
あたしのお祭りの記憶はあの日で止まっている。
もう…冬汰がいない。
分かっているけど、ふと記憶を思い出すと思わず泣いてしまう…
「ひくっ、ひくっ…」
『澪春?』
「冬汰…どこなの…?」
頭が真っ白になる…───
居るはずのない冬汰。
胸が苦しくなって、涙が止まらない。
『澪春…っ』
俊稀は上半身を起こして、あたしを思い切り抱きしめた。
背中を優しくさする俊稀の手の感触…
冬汰…
会いたいよ…