たとえ、涙が頬を濡らしても。
もしか…して…
お通夜の日、夏翔が口にした楓って人…?
「やっぱり、冬汰のギターなんだ。」
「えっと…」
「会いたくなかったけど、偶然見つけた何かの縁…って、冬汰が会わせたのかもね。」
「…」
「ちょっと話さない?」
そう言うと、後ろにあるカフェを指差した。
冬汰が会わせたものだとしたら…
ここで、逃げるのは違う気がする。
だけど、この人はあたしの知らない冬汰を全部知ってるんだよね?
病気のこと…とか。