たとえ、涙が頬を濡らしても。



コクリと頷いて、カフェに入って向かい合って座る。


ピリピリとした緊張感が走って、気まずく重たい雰囲気が漂う…


注文したジュースのグラスの氷がカランッと音を立てた…



「私ね、冬汰がずっと好きだった。」


「…っ」



じゃぁ…あたし…


本当にこの人と冬汰を引き裂いたってこと…?


お通夜の日、確か夏翔は楓さんは冬汰のことが好きだって…


待って、じゃぁ



「夏祭り…に冬汰が一緒に…」


「うん。私よ。」


「…」



やっぱり、そうだったんだ。


でも冬汰は“友達”って…



「私からしたらね、初めてのデート…だったんだ。
冬汰が倒れた日、一生懸命看病して…
冬汰が必死で生きようとしていて…
もう気持ちに歯止めが聞かなくて…
告白したのよ」



初デート…


告白…


言葉が出なかった。



「でも、やっぱり振られて。
気まずい中それでも冬汰はお祭りに付き合ってくれた。
けど着いてすぐ冬汰は、花火が始まってすぐに花火とは逆の方向に走り抜けるあなたを見つけたわ。」




っ…───────


あたしのせいで…





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