たとえ、涙が頬を濡らしても。
夏翔と3人で…
そんな…
「冬汰の家に行って、お線香…上げてあげてよ?
夏翔から聞いたよ。
冬汰が亡くなってから一度も来ないって。」
「…」
「お墓の場所も…聞いてこないって。
ね、もうすぐ夏休みでお盆休みあるでしょ?
一緒に行かない?」
冬汰と直接会うのが怖くて、聞けなかった…
行けなかった…
俊稀と付き合ってからは、堤防も頻繁には行かなくなって…
大学進学と共に、地元を離れて冬汰と直接会わない理由を探してた。
だけど空にはいつも語りかけていて…
そんな矛盾の毎日だった…
俊稀を見なきゃって思ってたから…でも本当は冬汰に会いに行きたい…!
5年も…待たせた。
けど…もう自分の気持ちに嘘付きなくない。
会いたい…会いたいよ。
「行かせてください…」
「うん!冬汰もきっと喜ぶよ?
あ、連絡先教えてよ!」