たとえ、涙が頬を濡らしても。
買い物をする気にはなれなくて、そのまま家に帰宅すると、机に突っ伏して寝ている俊稀が目に入った。
机には講義のレジュメが散らばっていて…
あ、もうすぐ試験だもんね…
冷房付けっぱで寝ちゃ、身体冷すじゃん。
クローゼットから俊稀のパーカーを取り出して肩にそっとかける。
『み…はる』
「ん?」
『好き。』
寝ぼけて言ってるの?
それとも…
「わっ!?」
いきなり身体を起こしたと思ったら、床に押し倒されて俊稀があたしの上になって…
『澪春、好きだよ』
「えっ?ちょっ…」
すると、あたしに覆い被さるように倒れてきた。