たとえ、涙が頬を濡らしても。
episode 6.☆*。
⇒3年後…
『澪春、今日、病院行くんだろ?』
「うん、検診に行ってくるよ」
あれから大学を卒業した後、私達は冬汰の誕生日である、12月19日に籍を入れた。
日にちを決めたのも、俊稀だ。
プロポーズされた日に、もう婚姻届を提出した。
婚姻届の提出の際の保証人には、冬汰のお母さんになってもらって、その際はものすごく笑顔で泣いて祝福してくれた…。
無事、美術教師になれたものの、早くも私達は24歳となり、お腹の中には新しい命を授かった。
なので、お仕事は現在は休暇中…
妊娠 7ヶ月…
よくお腹を蹴られて痛いけど、元気な男の子。
「あ、また蹴られた」
『痛くないか?大丈夫か?』
「ははっ、俊稀は心配しすぎだよ?
ほら、会社遅刻したらダメだから行ってきな!」
玄関まで背中を押すと、俊稀はあたしを心配そうにみつめたあと、渋々家を出た。
さぁて、掃除洗濯するぞ!
テーブルの上の冬汰の写真をみつめて、小さく微笑む…
「冬汰、おはよう。
今日も一日、頑張るね」
そう口にして、家事に取り組んだ。