たとえ、涙が頬を濡らしても。



悲しい顔、しないでよ…



『澪春…ずっと会いたかった…
抱きしめたかった…ひくっ…』


「冬汰?」


『カッコわりぃな…俺…ひくっ』


「そんなことない!
あたしも、ずっと冬汰に会いたくて…抱きしめたくて…やり残したことたっくさんあるよ」



冬汰を今、思いっきりぎゅっとできないことが辛い…


お腹の赤ちゃんが苦しんじゃう…



「ねぇ、冬汰…
お腹、触ってみてよ?」


『え?』


「いいから…ね?」



冬汰の手をそっとお腹に当てる…


すると元気よく蹴るお腹の赤ちゃん…



『動いてる…』


「あたしはね…この子が冬汰の生まれ変わりだって信じてるの」


『え?』


「うぅん、冬汰の生まれ変わりであってほしい…
だけど…もうあたしはあの世には居ないんだよね…?」



冬汰がいるこの世界…


ということは、あたしはもうあの世にはいないってこと。



『いや…お前はまだ生きてるよ。』


「へ?」




生きて…る?




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