たとえ、涙が頬を濡らしても。



そして冬汰はあたしの前に立膝をついてしゃがみ込んだ。



『お腹、直接触れていいか?』


「うん。」



上の服をまくり上げられて、冬汰はあたしのお腹にも優しくキスを落とした。


冬汰…



『元気に産まれてこいよ?』



そう言って、服を下ろしてくれた。



「冬汰…?」


『あぁ…ほんっと、ダメだ。
澪春と離れたくねぇ気持ちが込み上げる…』


「うぅ…」


『でも、もう時間だ…』



時間?



『澪春』


「ん?」


『心のそこから…愛してっから。』


「冬汰…あたしも、冬汰が大好き。
愛してる…ありがとう…!」




すると冬汰は泣きながら、優しく嬉しそうに笑ってあたしの頭を撫でた…


そして瞬きをした次の瞬間にはもう


冬汰の姿はどこにもなかった…──────






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