たとえ、涙が頬を濡らしても。



『澪春、俺と結婚してくれないか?』


そう言ったのは2年前の12月19日。

大学を卒業して、社会人になってまだ全然の時だった。

交際、7年目に入って7年という数字に酔っていたのかもしれないけど…


プロポーズにかっこいい言葉も思い付かないままプロポーズしてしまった…


でも、澪春はクスッと笑ってくれた。


「ふふっ、よろしくお願いします。」


と、笑顔で返事をくれたんだ。


その瞬間がつい、昨日のように頭に過ぎった。


新しい命を授かったと知った時、嬉しすぎてもう涙が止まらなかった…


なぁ…澪春…一緒にこの子を育てような。


だから、目を覚ませよ…





< 232 / 241 >

この作品をシェア

pagetop