たとえ、涙が頬を濡らしても。



俊稀は涙を拭って、歯を出して笑った。


よし、それでこそ俊稀だ!



『澪春…』


「ん?」


『愛してる…この先もずっと』


「ふふっ、あたしも俊稀を世界で一番、愛してます。」



そう言うと、俊稀はあたしと春汰を抱きしめた。



『やばい…もうまた泣きそう。』


「あたしも…
冬汰に感謝し切れないよ…」


『冬汰が居てくれたから…
今の俺達が居るんだもんな。』


「うん…」



冬汰、あたし達に幸せをありがとう。


胸元のペンダントをぎゅっと握る…──


いつも側に居てくれてありがとう…


美術教師になれたのも冬汰のおかげだよ。

あたしの夢、叶えてくれてありがとう。



それにね、ちゃんと決めたよ。


この先を生きるために…

前に進むために犠牲にするのは…


“冬汰を好きな気持ち”


そして


“冬汰の気持ち”





だから、

たとえ、涙が頬を濡らしても

立ち止まらず、笑って前を向くよ。



ありがとう。冬汰…

心のそこから、大好きでした…─────







─END─
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