たとえ、涙が頬を濡らしても。
おまけ
「みっ、はるっちゃーん!!」
玄関のドアを開けた瞬間、依知花があたしをぎゅっと抱きしめた。
「依知花ぁ…会いたかったよ…!!」
会うのは半年ぶり。
妊娠を報告した時、ものすごく喜んでくれたし、その前の結婚式では依知花が大号泣して大変だった。
『依知花、久しぶりだな!』
「わぁー!!君が春汰君かぁー!!」
依知花は春汰を見て、にっこり微笑んだ。
『って、俺は無視かよ!!』
「えー。いいじゃん?
今日は澪春ちゃんと春汰くんに会いに来たんだよー?」
『うっ、サラッと傷付くからやめろ…』
「あ、これ!
朝から作ったの!!
ちゃんと俊稀くんのもあるよ!」
「依知花、ありがとう!!」
依知花はパティシエとして、まだしっかり頑張っている。
時には挫けそうになって、電話してきたけど…
辞めずに済んで何より!