たとえ、涙が頬を濡らしても。



…───────



『ほんっと、依知花って台風みたいに来て去っていくよな~』



依知花は仕事前に来てくれたから、30分程で仕事に行っちゃった。


依知花が作ってくれた、ロールケーキを食べると思わずニコニコ笑顔が溢れた。



「美味しい!!
でも、久しぶりに会えて嬉しかった!」


『だな!』



春汰は遊んでもらって疲れたのか、ぐっすりお眠りモードだ。


よく泣いて、よく食べて、よく笑う…


いつか、春汰にも冬汰の話をしよう。


テーブルの上の冬汰の写真を見て、微笑んだ。



『澪春…好き』


「好きでいいの?」


『なっ…、愛してる』


「ははっ、知ってる。」


『っ、お前なぁ…』


「俊稀」



少しからかった後、真剣な眼差しで俊稀をみつめる…──



「あたしの傍に居てくれて、愛してくれてありがとう」


『なっ…』



真っ赤に頬を染めた俊稀。


あたしの隣は、やっぱり俊稀だ。


ずっと、傍に居させてね。



冬汰、どうかあたし達を見守っててね。






たとえ、涙が頬を濡らしても。

完結






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