たとえ、涙が頬を濡らしても。


しばらく沈黙が続いて、スケッチブックから目を逸らすと、冬汰は斜面に持たれて、また空をじっと見つめていた。



「空、好きなの?」


『んー…微妙。』


「微妙…か。」



なんかもっと会話弾まないわけ?


あたしまで緊張してるし!



『お前は好きなの?』


「うん!
あ、でも雨は嫌い」


『なんで?』


「傘持つのも面倒だし、服は濡れるし、ジメジメするし…でも一番の理由は空が泣いてるようで嫌なの」


『そっか。
じゃぁ、泣かねーようにしないとな』


「へ?」


『いや、何でもない』



そう言って、冬汰はあたしに背を向けてしまった。


あ、今日はギター持ってきてないんだ。


体調やっぱりまだ悪いのかな?




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