たとえ、涙が頬を濡らしても。
絵の先生になることは難しい。
もっと、違う夢を探した方が…
『俺は似合うと思うけど?』
「…」
『俺、お前の絵…好き。
なぁ、諦めず追いかけろよ…』
「うん…うん!」
好き…その一言があたしを動かした。
あたしの絵なんて…って思うけど、あたしにしか描けない絵があるかもしれない。
全く同じ絵なんてないんだもんね。
『頑張れよ?』
立ち上がった冬汰は、あたしの頭を優しくポンポンと叩いて歩いていってしまう…
「ま、また明日ね!」
当然、返事なんてなくて…
でも、また明日会えるかもって考えただけでちょっと嬉しくて。
また明日、いい案を考えればいい。
時間はまだある。