たとえ、涙が頬を濡らしても。
堤防に着くと、いつもの場所に冬汰は居なくて…
日向のここは暑いから、とりあえずあの雨の日と同じ場所に行ってみると、1人の人影が見えた。
急いで自転車を止めて走っていくと…
『澪春…?』
「冬汰!!」
うそ…
会えるなんて、思ってなかった…
ましてや土曜日なのに。どうして…
『ごめん…。』
「ううん…
いっぱい…いっぱい泣いたけど…
恐くて今日まで会う勇気なくて…
逃げたのはあたし。」
いざ冬汰を目の前にすると、言いたいことが溢れて言葉がうまく回らない。
冬汰…ちょっと痩せた?
前より…また細くなってる…
『澪春に謝りたくて…会いたくて…
あの日から毎日、ここに来た』
「え?」
『澪春はもう来ないと思ってたけどな』
「…」
『あいつに…何も聞いてねーの?』
「あいつって?」
誰?
待って、もしかして…